はじめに
ごきげんよう、所長の”はる”です!
突然ですが質問です。
みなさんはこれまでにどんな種類の文章を書いてきましたか?
読書感想文・レポート・エントリーシート・手紙・日記・企画書などを思い浮かべた方が多いのではないでしょうか。LINEやメールでのやり取り、SNSでの投稿などもありますよね。
他者とのやりとりも含めると、一切「作文」しない日っておそらくあまりないのではないでしょうか。
いつになっても「文章を書く」ということは重要な作業ですよね。
では、もう一つ質問です。
文章を書くとき、何のために書くのかを意識していますか?
例えば次のような感じになるでしょうか。
- エントリーシート=自分の持つよさを理解してもらい、さらに評価してもらうため
- 日記=自分がその日感じたことを後で読み返せるようにするため
- 手紙=相手に自分の思いを伝えるため
…etc
このように、文章の種類によっていろいろな目的で、筆を進めたり指をスライドさせてたりしているのではないかと思います。
何のために文章を書くのか
私は、文章を書くにあたっての「いろいろな目的」を、究極的には2つにまとめることができると考えています。
それは、次の2つです。
- 自分が読むため
- 他者に読んでもらうため
「まあたしかに。」と思ってくださる方が多いのではないでしょうか(希望的観測です)。
目的のうち、前者、つまり「自分が読むため」の文章に関しては、あまり課題意識を抱く人は少ないでしょう。
問題になるのは、後者の「他者に読んでもらうため」の文章を書くとき。
多くの人にとって、しっかり文章を書くのは、他者に読んでもらう文章を書いているときが多いと思います。
その中で、文章をうまくかけない、伝えたいことが伝わらない、相手に響かないなどといった悩みが生まれがちではないでしょうか。
こういった悩みを解決するには、ある1つのことがカギになってくると私は考えています。
ここまで読んでいただいた方は、この記事で伝えたい「文章作成で最も大切なこと」が何だか気づいていらっしゃるのではないでしょうか。
それは、「他者に読んでもらうことを意識しながら書く」ということです。
「他者に読んでもらうため」の文章を書くからこそ、「他者に読んでもらうことを意識」しておく必要がある。
このことは、常に念頭に置いておくべきだと思います。
- 手紙=感情が伝わるように
- 論文=客観的で、感情は交えずに
- SNS=限られた文字数でわかるように
上に例を挙げたように、必要とされる書き方・テクニックなどは状況によって違ってきます。
しかし、「他者に読んでもらうことを意識して書く」ことは共通しています。
そんなこと「当たり前田のクラッカー」、もしくはシンプルに「当たり前だろ」と思う方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、これって、意外と忘れがちになってしまうものではないでしょうか。
社会人1年目の失敗談
かくいう私も社会人になりたての頃、「他者に読んでもらうこと」を意識できていなかったのが原因で失敗したことがあります。
それは仕事に関するテーマについて、レポートを書いたときのこと。
私は大学院生時代、けっこう真面目に研究していたので、レポート作成には自信がありました。ですので、自信をもってレポートを上司に提出したのです。
しかし、レポートを読んだ上司の表情は固く、口を開いて一言。「学生気分が抜け切れていない。」
こう言われた瞬間、私にはどういうこと意味だか全くわかりませんでした。
きょとんとする私を見て、上司は「ちゃんと読む人のことを考えて書きましたか?」と尋ねました。
そこでハッとしたのです。
入社直前まで私がいた大学などアカデミアの世界では、自分の考えを「論文」の体裁でまとめるのが基本です。
しかし、論文に慣れ親しんでいる人でないと、この体裁の文章を読み進めるのはけっこう苦痛だったりします。
そのことを考慮に入れず、直近まで自分が慣れていた論文形式で書いてしまった。それが失敗だったのです
- そもそも論文という形式に慣れていないのではないか
- 読む人は忙しいから隅から隅まで読んでいる時間がないのではないか
- 難しい言い回しや専門用語が読み進めるのに障害になるのではないか
- 抽象的な内容になりすぎていて、身近に感じてもらえないのではないか
- データから得られた示唆がどのように自社に関係しているのかまで示してほしいのではないか
「この内容を誰がどんな状況で読んで、何を得たいのか、どのように扱いたいのか」といったことまで考えておけば、この失敗は防げたわけです。
このように考えると、ワードでモリモリに書くよりも、パワーポイントでスタイリッシュにまとめるほうがよっぽど価値が高いということもざらにあります。むしろ社会人では後者の方が好ましい場合が多いでしょう。
「学生気分」事件は、「他者に読んでもらうことを意識しながら書く」ことの重要性を改めて思い知らせてくれました。
まずは自分の文章を見つめ直そう
先にも書いた通り、誰かに向けて文章を書くという時点で、その文章を相手に読んでもらうことは自明です。
しかし、そのことを意識できていないときって意外とあるのではないでしょうか。
自分の文章がうまく伝わらないとき、相手のせいにしたくなった経験はありませんか?
「なんで伝わらないんだろう。読み手に読解力がないのかな。」と思ったら要注意。
文章が悪い可能性に目を向けましょう。まずは自分の文章を見直してみるべきです。
また、思った以上に人は察してくれません。ですから、「あの人なら分かってくれるはず」という期待は危険。
文章を読む相手が知り合いだったり同僚だったりした場合でも、最低限の情報や前提事項は文章に入れておきましょう。
話すときも同じです
「相手のことを考えて文章を作る」というのは、何かに書き表す時だけに必要な訳ではありません。
それは、口頭で自分の考えや意見などを伝えるときにも必要になってくると思います
これまた私の恥ずかしい話を紹介します。
入社して1年目のとき、何かを決める会議で、自分が意見を述べても理解してくれないのに、回り回って最終的な結論は自分の意見と同じになる、ということがよくありました。
そのため、「なぜ最初から自分の意見を採用してもらえないんだろう。」と思っていました。
これ、当初は相手の理解力の問題なんじゃないかと考えていたんです(超絶生意気ですよね…)。
もしくは「若輩者バイアス」(私の造語です)がかかっているんじゃないかと。
(同じ内容でも若者が言うのとベテランが言うのとでは重みが変わる事例、悲しいですがけっこうありますよね。)
でも、冷静になって考えてみたところ、自分の伝え方に問題があるのではないかという結論にたどり着いたのです。
それによって、「もっと相手のことを考えた話し方をしたい!」と常に意識するようになりました。
私たちが自分の考えていることを人に伝えるには、書面で伝えるにせよ口頭で伝えるにせよ、基本的に文章にしなければなりません。
頭の中のネットワークでは、それぞれの情報はうまく結びついていて、説得力ある意見や考えができていたとしても、それが相手に伝わるような形でアウトプットできなければ、意味がないわけです。
それってとてももったいないことではないですか?
ですので、何かを「文章」にしてアウトプットしていく際は、「自分の文章を読む相手」「自分の話を聞く相手」を意識することで、しっかり伝わるように工夫しましょう。
おわりに
以上、文章を作成するにあたり最も大切なことについて述べてきました。
この先、AIの技術が進み、頭の中で考えていることを伝えたい相手に合わせて適切にアウトプットできるようになるかもしれません。
しかし、現段階では、自分の力で表現することが必須で、社会で生きていく限り、「作文」は避けては通れません。
その土台になるのは、「他者に読んでもらうことを意識する」、つまり「相手目線に立つ」ことです。
この土台があるからこそ、文法・文体・用語への配慮などが効果的にできるようになるのではないでしょうか。
このブログでは、自分の考えを適切にアウトプットしていけるような技術(文章作成術・論理的思考術)も解説していきますので、今後もぜひチェックしていただけると嬉しいです!
それでは今回はここでおしまい。失礼します!
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