はじめに
「もしも◯◯語を不自由なく使えたら、□□したい!」
「◯◯」に入る言語、そして「□□」に入る言葉、みなさんは何を思い浮かべますか?
外国語ができるようになることで、可能性や世界はぐっと広がります。
ご挨拶が遅れました。ごきげんよう、所長の”はる”です!
今回のテーマは語学学習ツール。
私が最近知って驚いたサービスについて紹介していきたいと思います。
それは、東京外語大学が提供している、とあるサービスです。
東京外語大学言語モジュール
タイトルでネタバレしてしまっていたのですが、今回ご紹介するのは、「東京外語大学言語モジュール(以降、東外大言語モジュール)」。
TUFS言語モジュール
(東京外国語大学21世紀COEプログラム「言語運用を基盤とする言語情報学拠点」)
みなさんはご存知でしたでしょうか?
2003年に公開されたサービスです。
収録言語
驚きなのが、日本語を含めて27言語を学習できること。
内訳は以下の通りです。
- 英語
- ドイツ語
- ポーランド語
- チェコ語
- フランス語
- イタリア語
- スペイン語
- ポルトガル語
- ロシア語
- モンゴル語
- 中国語
- 朝鮮語
- インドネシア語
- マレーシア語
- フィリピノ語
- タイ語
- ラオス語
- ベトナム語
- カンボジア語
- ビルマ語
- ウルドゥー語
- ヒンディー語
- ベンガル語
- アラビア語
- ペルシア語
- トルコ語
- 日本語
大学の第二外国語でやるようなメジャーな言語は教材の選択肢が豊富ですが、日本語で学べるマイナーな言語の教材って限られているんですよね…。
東外大言語モジュールはマイナーな言語もしっかりカバーしてくれています。マイナーな言語に興味がある、という人には特にオススメです!
モジュールって何?
「東外大言語モジュール」の「モジュール」ってどういう意味かご存知ですか?
ここでは「あるひとまとまり学習単位」のことを意味します。
東外大言語モジュールでは、「発音」「会話」「文法」「語彙」の4つのモジュールを設定しています。
(※言語によっては、全てのモジュールがそろっていない場合があります。)
そして、4つのモジュールはそれぞれある程度の独立しているいっぽうで、4つを合わせた全体としては1つのまとまりをもっています。これが、東外大言語モジュールの特徴です。
こうすることで、どんなよいことがあるのか?
それは、自分が進めたいモジュールから学習ができるということです。
一般的な参考書を使う場合、英語でいうアルファベットの学習から始まり、だんだん直線的に積み上げていく感じになると思います。
ですが、東外大言語モジュールでは、言語を習得するまでに選べる道のりが一つではありません。
そのため、利用者それぞれの進め方で、柔軟に学習を進めることができます。
これが「東外大言語モジュール」の魅力なのです。
日本人が語学学習に求める要素が入っています
柔軟に学習できるというメリットのほかにも、よい点があります。
それは、各モジュールの内容は細かく分かれている点です。そのため、スキマ時間での学習に適しているのです。
以前、このブログで語学学習に関する調査結果を記事にしました。
この調査のうち、「語学学習に何を求めるか」という質問に対する答えとして、「空いた時間に気軽にできること」や「コストパフォーマンスが良いこと」が上位に上がっていたのです。
無料かつ東京外語大学による制作で質が高い=コスパめちゃくちゃよい 細かく分かれたレッスン=空いた時間に気軽に取り組める
このように、東外大言語モジュールは、語学学習に求められる要素を満たしているといえます。
教材のレベル
「東外大言語モジュールって難しいんじゃないの?」と思われている方がいらっしゃったら、ご安心ください!
教材のレベルに関して、サイトには以下のようなことが書かれています。
英語以外の言語教材は,主として大学生が初めて新しい外国語を学ぶための教材を想定しています。英語については,小学校での総合学習や中学校で初めて学ぶ外国語としての英語を念頭において開発しました。
東外大言語モジュールのサイトより
これでご安心いただけたのではないかと思います!
では、レベル感についてご安心いただいたところで、4つの各モジュールの具体的な内容についてみていきましょう。
今回はドイツ語の教材を例にとって解説していきます!
発音モジュール
実践編と理論編の2種類があります。
実践編
特徴的なのが導入です。まずは詩などの朗読を聴きます。
「え、いきなり詩?」と思われるかもしれませんが、最初にその言語の響きを知ることが目的です。
また、3つの段階が設定されています。
- 「サバイバルのためにこれだけは」
- 「円滑なコミュニケーションのために」
- 「~語らしさを身につける」
この3つの中から、自分の目指すレベルに合った段階を選んで学習できます。
理論編
「実践編」を学習済み、もしくは既にその言語の知識をもっている人がさらにステップアップした発音を習得するための内容です。
言語学の専門用語が使われているので、いきなり取り組むと面食らってしまうかもしれません!
会話モジュール
「挨拶をする」や「感謝する」のような、ことばの基本的な機能を、具体的な場面を想定した動画で学びます。
基本的な機能は全部で40個。
このモジュールも、発音モジュールと同様に、大きく2つに分かれています。
教室用
大学の授業等で使用されることを想定されているため、1つの画面で様々な使い方ができるようになっています。
学習者用
目的に応じていろいろな角度から学習できるように、4つの学習モデルが設定されています。
- モデル1:「聞く・話す(ロールプレイ)」
- モデル2:「読む・話す(音読)」
- モデル3:「聞く・話す(ディクテーション)」
- モデル4:「読む・書く(コピーイング)」
各自の目的にあわせて、どれか1つのモデルを選び、画面の指示にしたがって学習しましょう。
文法モジュール
学びたい言語によって差がありますが、多くの言語で複数のコースが設定されています。
それぞれのコース内の各ステップは次のような構成になっています。
- カード(文法事項の簡単な説明)
- 解説(文法事項の詳しい解説)
- 例文
- 練習問題
「カード→解説→例文→練習問題」の順番に学習を進めます。
(※練習問題がないステップもあります。)
語彙モジュール
700語から900語の基本的な語彙が収録されています。
「場面による学習」と「意味分類による学習」の2つのコースがあります。
また、簡単な単語検索もできます。
その他特記事項
取り組む際の注意点
めちゃくちゃよいサービスなので、褒めるだけで終わりにしてしまいたいのが本音です。
ですが、念のため、2点だけ取り組む際の注意点をお伝えしておきますね。
①進捗管理に気をつけよう
学習を終えたレッスンやステップにチェックを入れるなどといった進捗管理は、サイト上ではできません。
自分がどのレッスンやステップを終えたかは、覚えておくか記録しておく必要があります。
②動機付けをしっかりしておこう
語学学習は強い動機がないと挫折してしまいがちですよね。
そのため、「アラビア語ぺらぺらになって石油王と結婚してやる」といった強い動機がない人でも学習を続けられるように、紙面や画面、機能などを工夫している教材・サービスが最近多くなってきています。
しかし、東外大言語モジュールは単調な画面が続きます。また、学習継続のための工夫はあまり施されていません。
ですので、取り組むにあたって強い気持ちを持っておくことが大切だと思います。
以上2つの注意点を書きましたが、注意点を補って余りあるほど優良サービスですので、一度はのぞいてみることをオススメします!
モバイル版について
会話と語彙を鍛えるためモバイル版が用意されています。
PC版では語彙の音声を聞くことができないのですが、モバイル版ではそれが可能!
ただし、音声を聞くには1単語ずつクリックする必要があるので、ながら学習には不向きです。
通言語文法モジュール
これまで解説してきたように、東外大言語モジュールは、基本的にある特定の言語について学ぶためのサイトです。
しかし、「通言語文法モジュール」というモジュールも用意されています。
これは、特定の言語を学ぶものではありません。一言でいうと、「言語学を学ぶためのモジュール」です。
「いやいや最短距離で特定の言語を話せるようになればそれでいいんだよ」という人はスルーしていただいたよいと思います。
ですが、言語学の知識があると、語学を学習するときに知識が頭に入ってきやすい気がします。
「少し回り道してみてもいいかな」と思う方は「通言語文法モジュール」もみてみるとよいと思います。
言語学、面白いですよ!
おわりに
以上、「東外大言語モジュール」について解説してきました。
いかがでしたでしょうか?
- 日本語を含めて27言語を学習できる。
- 無料で良質。コスパ最強。
- スキマ時間に行う学習に向いている。
- 利用者それぞれの進め方ができる
このようなメリットがある東外大言語モジュール。一度そのすごさを体感するために、サイトを訪れてみてほしいなと思います。
以下にリンクを再掲しておきますね!
TUFS言語モジュール
(東京外国語大学21世紀COEプログラム「言語運用を基盤とする言語情報学拠点」)
東外大言語モジュールは、無料でこれだけ多くの言語をカバーしているという点で傑出した存在です。
しかし、語学学習ツールは他にもたくさんあり、それぞれに特長があります。
「他の語学学習ツールについても知りたい!」という方に向けて、追って記事にしていきたいと思っていますので、ご期待ください!
それでは今回はこの辺で。失礼します!
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